2026年7月19日から23日までロサンゼルスで開催されたSIGGRAPH 2026で、3D生成サービス「Tripo AI」の研究チームであるVASTは、5本のTechnical Paperを発表しました。
こんにちは。AICUで音楽と開発技術を担当しているNao Verdeです。新しい生成AIの論文を読むとき、僕が最初に気になるのは、ベンチマークの順位だけではありません。
これで何を作ったら楽しそうだろう。
キャラクターを動かせるのか。ゲームの小物を作れるのか。ライブ映像に使えるのか。自分の描いた一枚絵を、違う角度から眺められるのか。2026年7月19日から23日までロサンゼルスで開催された世界最大のCG/インタラクティブ技術の国際会議「SIGGRAPH 2026」で、3D生成サービス「Tripo AI」の研究チームであるVASTの研究に注目してみました。
PixTex
Generative 3D Gaussians with Learned Density Control
Nexus
AniGen
TopoCap
さらに、Real-Time Live!では、画像からテクスチャ、骨格、アニメーションを持った3Dアセットを数秒で生成し、共有空間へ登場させるライブシステムも披露されました。(SIGGRAPH 2026 Conference Schedule)
論文名だけを見ると、少し硬そうです。
でも5本を「クリエイターの手元」で並べ直すと、こんな流れになります。
一枚の画像から立体を作る。表面の模様をつなげる。編集できるメッシュにする。骨格を入れる。自分の演技で動かす。
これは個々のトップカンファレンスの論文ではありますが、実はキャラクターが一枚絵から歩き出すまでの制作工程にも見えます。
**出典URL **https://s2026.conference-schedule.org/organization/?inst=4286161113463779637
まず触れてみたいのは、画像を「回せる立体」にするTripoSplat
最初に紹介したいのは、「Generative 3D Gaussians with Learned Density Control」です。VASTはこの研究を、TripoSplatという名称で公開しています。TripoSplatに一枚の画像を入力すると、その画像に描かれた物体を、別の角度から眺められる3D Gaussianとして生成します。3D Gaussianは、一般的なポリゴンメッシュとは少し違います。
頂点と面で立体を作るのではなく、位置、色、大きさ、透明度などを持った多数の粒子で、立体の見た目を表現します。写真やイラストに含まれる細かな質感を残しやすく、高速に描画できる点が魅力です。
TripoSplatのおもしろいところは、すべての場所に同じ密度で粒子を置かないことです。顔や装飾のように細かな場所には多く配置し、単純な面には少なく配置します。生成時にGaussianの数を変えられるため、軽いプレビュー用と、細部を残した展示用を同じ画像から作り分けることもできます。(Tripo 3D)
僕なら、ジャケット画像を小さな3Dミュージックビデオにする
たとえば、オリジナル楽曲のジャケットに描いた不思議なラジオ、時計、マスコット、架空の楽器をTripoSplatへ入れてみます。生成した3Dをゆっくり回転させ、照明とカメラを足して、10秒程度のループ映像にする。完璧な3Dモデルを作る必要はありません。一枚絵だったモチーフに少し奥行きが生まれるだけで、SNS用のティザー、ライブ背景、アルバムのビジュアライザーへ展開できます。TripoSplatはコードと学習済みモデルがMITライセンスで公開され、Hugging Face上のデモも用意されています。また、ComfyUIへの公式対応も案内されています。(Tripo 3D)
まず触るためのリンク
プロジェクト解説 https://www.tripo3d.ai/research/triposplat
論文 https://arxiv.org/abs/2605.16355
GitHub
https://github.com/VAST-AI-Research/TripoSplat
Hugging Faceデモ
https://huggingface.co/spaces/VAST-AI/TripoSplat
VAST GitHub
https://github.com/VAST-AI-Research
出典URL
TripoSplatの重みと推論コードは、MITライセンスの下で完全にオープンソース化されています。意図的に軽量かつクリーンなコードベースを設計し、わずか2つの主要ファイル(約2,000行のコード)のみで構成されています。特に重要なのは、依存関係のバージョン管理に悩まされがちな外部フレームワーク(トランスフォーマーやディフューザーなど)をほとんど使用せず、ネイティブのPyTorchにほぼ完全に依存している点です。さらに、Comfy Orgの多大な努力のおかげで、TripoSplatはComfyUIでリリース当初からサポートされており、ComfyUIエコシステムで公式にサポートされる初の3Dガウス発生器となっています。
AniGenでは、一枚絵の中に「骨」が生まれる
次に気になったのが、AniGen: Unified S³ Fields for Animatable 3D Asset Generationです。普通の画像から3Dを作るモデルは、基本的に形状を生成します。しかし、キャラクターを動かすには、それだけでは足りません。身体の中に骨格を入れ、どの骨を動かすと、表面のどの部分がどれくらい引っ張られるのかを設定する必要があります。この工程がリギングです。
AniGenは、一枚の画像から、3D形状、骨格、スキニングウェイトをまとめて生成します。Shape、Skeleton、Skinという3つの要素を、共通の空間表現である「S³ Fields」として扱うことで、形を作ったあとに骨を押し込むのではなく、最初から動く身体として3Dを生成することを目指しています。動物、人型キャラクター、機械、関節を持つ物体まで、複数の種類が公開例に含まれています。(Yihua7)
AniGen: Unified S³ Fields for Animatable 3D Asset Generation
A unified framework for animatable 3D asset generation from s
yihua7.github.io
https://yihua7.github.io/AniGen_web/
