INTERNATIONAL AI CREATOR AWARD 2026国際AIクリエイターアワード2026

第1回の賞に、名前を貸すという勇気。9名の最終審査員のみなさまに感謝します

国際AIクリエイターアワード2026の最終審査員9名を公開しました。まだ歴史のない賞に名前を預けてくださったことへの御礼と、一票ごとに講評を添えていただくというお願いについて。実行委員長の白井暁彦が、お一人ずつご紹介します。

2026-10-14 · note

AI CREATOR AWARD 2026 のクリスタルトロフィーと、最終審査員の肖像、応募作品、世界地図のキービジュアル

国際AIクリエイターアワード2026の最終審査員をお引き受けくださった9名のお名前とお顔を、公式サイトで公開しました。

https://aicu.ai/award/2026/jury/

まずは、お引き受けくださったみなさまに、心から御礼を申し上げます。

この賞には、まだ歴史がありません。2026年が第1回です。過去の受賞者もいなければ、誰もが知っているような権威や伝統があるわけでもありません。むしろ、その価値をこれからつくっていくところです。

そういう賞の審査員になるというのは、すでに確立された賞の審査員名簿に名前を連ねるのとは、まったく違う決断だと思います。

みなさまにはそれぞれ、積み上げてきた仕事があり、社会的な信用があり、お忙しい日常があります。そのなかで、私たちの取り組みに関心を持ち、名前を出してくださったこと。それがどれほどありがたいことなのか、主催者としてよくわかっているつもりです。

本当にありがとうございます。

賞の値打ちは、権威ではなく、理由の確かさで決まる

私たちが最終審査員のみなさまにお願いしていることがあります。

それは、一票ごとに講評を添えていただくことです。

誰が、どの作品を選んだのか。それだけではなく、なぜその作品を選んだのか。どこに価値を見いだし、何を評価したのか。それを言葉にして残していただきたいのです。

そして、その講評を審査員のお名前とともに公開します。

もちろん、これは審査員の方々にとって、かなり手間のかかるお願いです。10分野の作品を見て、それぞれに評価を下し、理由を書く。自分の専門に近い分野もあれば、そうでない分野もあります。

それでも、この方法を採用したいと思いました。

生成AIの作品は、技術の変化とともに生まれ、流通し、ときには驚くほど短い時間で忘れられていきます。今日の最先端が、半年後には当たり前になっていることも珍しくありません。

だからこそ、私たちは作品を集めるだけではなく、その作品が生まれた時代に、どのような価値が見いだされていたのかを記録したいのです。

受賞作品の名前だけが残っていても、その年に何が新しく、何が面白く、何が人の心を動かしたのかは、未来の人にはわかりません。

審査員の言葉が残っていれば、そこから読み解けるものがあります。たとえ後の時代に評価が変わったとしても、その違いに歴史的な意味が生まれます。

賞の値打ちは、権威ではなく、理由の確かさで決まる。

私はそう考えています。

分野も国も、見てきた世界も違う9名

今回、お引き受けくださったのは、ゲームAI、文化、出版、映像、音声、XR、エンターテインメント、クリエイティブプロデュースなど、異なる分野で活躍してこられた方々です。

国も、専門も、世代も異なります。

私は、全員が同じ価値観を持つことを期待していません。むしろ、同じ作品を見ても、違うことを感じ、違う理由で評価することに意味があると思っています。

最終審査では、全員に10分野すべてを見ていただきます。専門分野だけを担当するのではありません。

専門家の鋭い目も大切ですが、自分の専門の外にある表現に何を感じるかも、クリエイティブな評価には欠かせないことだと思うからです。

そんなお願いを引き受けてくださった9名をご紹介します。

Anna Skrypka さん

Anna Skrypka

Augmented Societyの創業者であり、『Culture Decides』の著者です。

Autodesk他企業でのクリエイティブツールのマーケティングに貢献されてきた方です。技術そのものだけでなく、それを受け取る文化や社会のあり方に目を向けてこられた上で、個人としての活動、そして日本の文化にも非常に興味を持っておられます。生成AIの進歩について、私たちはついモデルの性能や新機能を語りがちです。しかし、新しい技術がどのような文化を生み出し、人間の創造性に何をもたらすのか。それを考える視点も必要です。

Annaさんには、技術の外側、産業、ツールの先にある文化という観点からも、このアワードを見ていただけることを期待しています。

お引き受けいただき、ありがとうございます。

https://aicu.ai/award/2026/jury/#anna

Jerry Chi さん

Jerry Chi

現在の生成AIの大爆発を作った中心には、Stability AIの「Stable Diffusion」のオープンリリースがあります。Jerryさんは日本の代表として貢献され、さらにPixAI、そして Supercell AI Innovation Labでも大変お世話になりました。世界のAIの最大渦中にいるJerryさんにも、今回の審査員として参加していただけることになりました。

生成AIのクリエイティブを評価するには、作品として見えている完成形だけでなく、その背後にある技術や制作環境の変化、そして企業や投資家の視点にも目を向ける必要があります。そして、技術的な新しさと、作品としての価値は、必ずしも同じではありません。たくさんの時代の渦中をみてきたJerryさんとこうした問いを、異なる経験や視点を持つ方々と一緒に考えていけることを楽しみにしています。

Jerryさん、ありがとうございます。

https://jerrychi.com/

https://aicu.ai/award/2026/jury/#jerry

Matty Shimura さん

Matty Shimura

ElevenLabsのChroma Awardsを率いておられるMattyさんです。

生成AIによる創作を評価し、作家を発掘し、作品を世界に紹介するアワードを運営する立場から、今回の取り組みに加わってくださいます。日系の名前をもち、フィルムアートの出身のクリエイターであり、CivitaiやElevenLabsでクリエイターの次世代エコシステムを助力している立役者です。同じように賞をつくる立場の方に審査員をお願いするのは、実は特別な意味があります。賞は競争するためだけに存在するのではなく、それぞれの取り組みを通して、創作文化を育てていくこともできるはずです。

Mattyさんの参加に感謝するとともに、今後の交流も楽しみにしています。

https://chromaawards.com/

https://aicu.ai/award/2026/jury/#matty

佐渡島 庸平 さん

佐渡島 庸平

株式会社コルクの佐渡島庸平さんです。

『宇宙兄弟』をはじめとする数々の漫画ヒット作のプロデューサーであり、作家のエージェントという仕事を日本でかたちにし、作家や作品と長く向き合う取り組みを続けてこられました。生成AIは道具である、として、漫画家がその道具を使っていかに世の中を動かす作品を作るか。私は、生成AIの時代になっても、いや、生成AIの時代だからこそ、作者とプロデューサーという存在を大切にしたいと思っています。

「AIで漫画を描く」といえば、作品はツールが勝手につくるように思う人もいますが、そんな簡単ではありません。大量に作られていくAI漫画において、AIクリエイティブのファンの頂点であるAICU Awardにおいて、何をつくりたいのか、誰に届けたいのか、どういう世界を描きたいのか。そこには作者の意思があります。生成AIによって制作の方法が変わっても、そういった思いをきちんと受け止められる編集者・プロデューサーの建設的な一言があってこそ、作家と作品の関係をどう考えるべきなのか可視化される。そうした問題を考えるうえで、佐渡島さんの視点は大変貴重だと感じています。

ご参加いただき、ありがとうございます。

https://note.com/aicu/n/ne0de3ffe81c9

https://aicu.ai/award/2026/jury/#sadoshima

Scott Broock さん

Scott Broock

Totem Networksの創業者、Scott Broockさんです。かつてIllumination Entertainmentでデジタル戦略とイノベーションを担当し、YouTubeではVRのグローバルな展開にも携わってこられました。キャラクターIP、アニメーション、インタラクティブエンターテインメント、VR、そして生成AI。

Scottさんの歩んできた領域は、私自身が長年取り組んできた研究や制作とも接点があります。VTuberを誰よりも先に発見して、ロサンゼルスで話題にした人物でもあります。生成AIによってキャラクターが動き、語り、ユーザーと関係を築く時代に、エンターテインメントの価値はどう変わるのか。

私は、そうした未来についても、このアワードを通して議論を深めていきたいと思っています。

Scottさん、ご協力に心から感謝します。

https://aicu.ai/award/2026/jury/#scott

Simon Richir 先生

Simon Richir

フランス国立高等工芸学校 Arts et Métiers ParisTech(ENSAM)の Simon Richir 先生です。XR分野の国際会議・展示会であるLaval VirtualをScientific Directorとして長年支えてこられた研究者であり、私にとっても特別なご縁のある先生です。

私はかつてフランスのENSAMで研究していました。20年ほど前の研究者としての経験や交流が、こうして新しい国際アワードへとつながることに、不思議な感慨があります。

VRやXRの研究には、まだ「メタバース」も「生成AI」も今ほど一般的ではなかった時代から、人間の創造性と技術の関係を考えてきた歴史があります。日本から見たフランス、フランスから見た日本は驚くほど共通性があります。生成AIにおいてもそうです。テクノロジー、イノベーション、その社会実装や、次世代の開発者・クリエイターにとって、責任のある作品を選ぶ、そして面白いこと。その歴史を知る方に、今の生成AI作品を見ていただける。20年を経て、また新しい場所でご一緒できることを大変うれしく思います。

Simon先生、ありがとうございます。

https://aicu.ai/award/2026/jury/#simon

髙野 良和 さん

髙野 良和

GROUNDRIDDIM(グラウンドリディム)のプロデューサー、髙野良和さんです。

生成AIの作品を評価するとき、どうしても技術的な新しさやカッコよさ、視覚的な完成度に注目が集まります。しかし、ミュージックビデオやコマーシャルフィルム、コミュニケーションフィルムといった商業映像の仕事には、それだけでは超えられない価値があります。生成AIかどうか、という視点を超えて、どのような人に届き、どのような文化を生み出すのか。表現を作品として成立させ、社会に届けるプロデュースの視点も必要です。そうした観点を持つ方に参加していただけることを、とても心強く感じています。

髙野さん、ありがとうございます。

https://aicu.ai/award/2026/jury/#takano

三宅 陽一郎 先生

三宅 陽一郎

東京藝術大学の三宅陽一郎先生です。フロムソフトウェア、スクウェアエニックスといった企業でゲームAIの研究と実装を、日本で長年牽引してこられた方です。

生成AIが急速に普及する前から、ゲームの世界では、キャラクターに知性を与え、自律的に振る舞わせるための研究開発が続けられてきました。AIがキャラクターをどう動かし、世界とどう関わり、人間のプレイヤーにどのような体験をもたらすのか。そして、産業だけでなく、数多くの著書、そして東洋哲学視点でのAI解説関連著書は、世界に知られるべき名著です。

そして、この4月から東京藝術大学でゲーム・インタラクティブアート専攻の教授に着任されました。先端のアーティストはもはや生成AIは当たり前に使いこなすクリエイターであり、世間の常識こそがアップデートされる側にあるのかもしれません。ゲーム産業・哲学書・アーティスト教育という向き合ってきた三宅先生の視点は、現在の生成AIによる表現を考えるうえでも重要だと思います。AIを単なる制作ツールではなく、表現そのものを構成する技術や教育者として見ていただけることを楽しみにしています。

三宅先生、ありがとうございます。

https://aicu.ai/award/2026/jury/#miyake

チェア、白井暁彦。

白井 暁彦

そして、審査のテーブルをまとめさせていただくのは私です。AICU Inc.の代表として、このアワードのチェアを務めています。VR、XR、ゲーム、科学コミュニケーション、メディア、教育、生成AIと、三十年近くさまざまな仕事に関わってきました。そのなかで、ずっと大切にしてきたことがあります。

**「つくる人をつくる」**ことです。

技術を教えるだけでも、作品を発表するだけでもありません。つくる人が育ち、作品を生み出し、それが評価され、次の創作につながっていく。

このアワードも、そうした循環を生み出すための挑戦です。

主催者である私も審査に加わります。ただし、私自身の考えを唯一の正解にしたいわけではありません。可能であれば全ての応募作品にコメントをしていきます。事務局であり、数多くのAIエージェントやスタッフを動かし、いかに参加者の皆さんにとって快適な作品共有の場を作れるか。一般投票を通して、10分野の生成AIがお互いを発見するか。そして異なる立場の「人間の審査員」が、それぞれの言葉で評価を残していく。その歴史の1ページを責任もって編纂する一人として、私も自分の判断の理由を説明する責任を負いたいと思っています。

https://aicu.ai/award/2026/jury/#shirai

最後の空席は、あなた。

最終審査員の枠は10名分を予定していますが、まだ交渉中の方もいらっしゃいます。現在公開しているのは9名です。完成していない名簿を公開することに、少しためらいもありました。しかし、これが第1回のアワードの現在地です。

個人審査員も投票に参加することができます。そして、コメントも、エモートでもシェアでも参加できます。

https://aicu.ai/award/2026/thanks/

心に残ったこと、どの言語でも構いません。AI時代に言語は壁でなくなったはずです。

完成したものを見せるだけではなく、どのように立ち上がっていくのかも、できる限り記録していきたいと思っています。

作品を選ぶだけではなく、作品が生まれた時代を記録する

国際AIクリエイターアワード2026には、世界各地から作品が届いています。

2026年10月13日夜の時点で、13の国と地域から109名、192作品。10分野すべてに応募があります。

第2期の一般公募は、10月15日(Anywhere on Earth)、日本時間10月16日20時59分59秒までです。

第3期の公募では、提携団体からの推薦受け入れ、作品のフォーマット修正などの応募作品の資格確認を経て、10月26日から11月15日まで一般公開投票に進みます。誰でも無料で、10分野それぞれに1票ずつ投票できます。

1票でもなく、人気投票でもなく、自薦だけでなく、10分野です。自分が大好きな分野以外にも投票してください。作り手の方々は自分以外のコラボレーションすべき相手や、見習うべき作家、まだ発見されていない期待の新人、未開の才能を発掘してください。「僕の作品の方が先だ」という方は、ぜひ、今のうちに投稿してください。

その後、最終審査員のみなさまに、各分野の作品を評価し、講評を残していただきましょう。

授賞式は11月20日(金)15:50〜16:50、幕張メッセのINTER BEE IGNITIONで開催し、オンライン配信も予定しています。

https://j.aicu.ai/A26YT

作品ギャラリーはこちらです。

https://aicu.ai/award/2026/gallery/

そして、この記事を読んでくださっているクリエイターの方にも、ぜひお願いがあります。

すでに公開しているAI作品があるなら、応募を検討してみてください。

もちろん、賞を取ることだけが目的ではありません。

自分が2026年という時代に、どんな技術を使い、何を考え、どんな作品をつくったのか。その記録を、未来に残す機会でもあります。

最後に、もう一度感謝を

最終審査員のみなさま、本当にありがとうございます。

まだ歴史のない賞に、みなさまの名前と時間、そして何より、これまでの経験から培ってこられた審美眼を預けてくださることに、深く感謝しています。

お引き受けいただいたからには、そのご厚意を単なる名誉職として消費するつもりはありません。

作品をつくる人にも、作品を見る人にも、審査をする人にも、参加した意味が残るアワードにしたいと思っています。

第1回の結果がどうなるかは、まだ誰にもわかりません。

ただ、何年か後に2026年の作品と講評を読み返したときに、「あの時代には、こんな作品が生まれ、こんな人たちが真剣にその価値を考えていたのだ」と伝わるものにしたい。

その最初の一歩をご一緒してくださる9名のみなさまに、心から感謝申し上げます。

白井暁彦(しらいはかせ) 国際AIクリエイターアワード2026 実行委員長 AICU Inc. CEO